先日、友人が山伏のことを英語で説明するときにmonksと言いました。

 

そうなんだ、と感心していたら、英語圏にないものを英語で的確に表現することは出来ないから、言葉のそっくりさんを見つけるしかない、そういっていました。

 

 

言葉は文化そのもの。思想と感受性、時と場所によって言葉の持つニュアンスが変わります。

 

 

数日前のコラムの最後に私は Engage と書きました。

 

 

まさしく、エンゲージリングのエンゲージ。それが、アメリカのテレビドラマ、スタートレックの中で、宇宙船がワープ航行に切り替える際に館長が全士官に指令をだすときの台詞になっています。

 

シーンとしては 出発! でもいいのに一体、エンゲージ とは、どういう意味なのだろうと、調べてみました。

 

 

するとこのEngage は、なるほど面白い意味をもっていたのです。

 

 

元々は「なにかを担保に誓約する」という意味だった単語が、「契約」の意味を帯び、やがて「なにか、または誰かに深くかかわる」という意味になってきた、らしい。

 

 

となると、婚約という意味もそこに含まれてきますね。単なる promise とは深みが違います。

 

 

 

現在、ビジネスシーンでも「主体的になにかの対象に意識を向け、働きかける」という意味で使われることが多くなってきたそうです。

 

 

ただ、それをぴったりと表現する日本語はなく、そっくりさんといえば「歯車を合わせる」

 

 

歯車が噛みあうようにしっかり対象に向き合う、向き合わせる

 

 

この意志の伴う言葉。Engage

 

 

スタートレック、宇宙空間において巨大な宇宙船が、光よりも早く移動するワープ航法。それには乗組員の一丸となった意志が必要なのです。

 

 

一瞬の揺るぎ迷いもなく目標に向かう。

 

 

「相手の注意をがっしりと捉える。意識を最大限に集中して主体的にその場に(あるいは人やモノに)向ける」

 

 

変化の速い現実社会においてもこうした思想は必要なのかもしれません。

 

 

私は、自分の目標に向かってただ真っ直ぐに迷いなくゆるぎなく進むための言葉として最適だと思いました。

 

 

 

山伏は山道を走り回る修行をするそうです。細い道で片方は崖。考え事をすれば足を踏み外し死ぬ。迷うことを捨てる。

 

 

考えるな、感じろ

 

 

を修行によって身に付けるという。

 

 

迷いは死。

 

ただ集中し、今を感じる。

 

 

言葉にないけど、概念、行動では当たり前にあったのではないだろうか。

 

わざわざ言葉にするほどのことでもなく、ただ知り会得していた山伏。

 

人、モノ、場所、出来事は変わっても本質は変わらない。

 

 

言葉も、また面白いですね。

 

 

さ、今日も自分の内なる宇宙へ、未来へ Engage!