多分15年以上も前のこと、とある場所でSM界の女王と呼ばれる女性に出逢ったことがありました。
職業を聞く前から妖艶さと眩しさを感じ、すうっと立っているだけなのに、まるで濃厚な百合の花の香のようなねっとりとした空気を纏った、凛としたとても美しい方でした。
その方の顧客は名前を言えば誰でもが知っているような各界の大物ばかりだそうで、嬢曰く
『大物であればあるほど日々の抑圧が強いから、激しくハイヒールで踏まれ鞭で打たれてやっとまともに戻って日常に帰ることが出来る。だから私は体を張ってその人たちの癒しをしているの。だって彼らは世の中に必要な人たちだから』
彼女の美しさは、奉仕の精神と自己犠牲の覚悟からの威厳だったのかと、思い出します。
職業に貴賤はないといいます。
何をするか、ではなくて、どんな気持ちで行うのか。大切なのはその動機ですね。
それを知らずして行動だけで判断評価することは出来ません。
私たちも日々知らず知らず、奉仕する側とされる側に立ち、誰かに何かに癒され助けられています。
子育て、家事、仕事。。。
子どもが健康に育って欲しい、家族が居心地よく過ごして欲しい、お客さんに喜んでもらいたい。
だれもが持っている他者への気持ち。
当たり前すぎて忘れがちだけれど、深いところの気持ちにはきっと愛する気持ちがあるものです。
疲れた時、自分が癒されたいと思う時、愛が足りないと感じる時、ふっと一休みする時間を作り、自分のなかにあった本当の気持ち、誰かを思う気持ち、愛を思い出してみませんか。
その自分自身の優しさが、自分を癒してくれます。
自分を滅して人のために役立たんとする。
その人を癒す人も、これまた自分を滅して奉仕する。
助け助けられ私たちは生きることが出来て、世界は日々前に進んでいます。
どんなことでも感謝です。
今日も読んでくださってありがとうございます。
愛と感謝を込めて