普段、着物を着ることが多い私。

 

もっと着物を身近にと和裁を習っています。

 

和裁には要所要所に醍醐味と言える技が施されているのですが、一つは袖の付け根にある閂止め(かんぬきどめ)。

 

3ミリにも満たない一針の中に小さな玉止めのようなものも幾つも入れていきます。その数は決まってはいませんが、私が習った先生は8個とおっしゃいました。

 

「八は末広がりっていうでしょ」

 

閂止めはもうほぼ出来上がり最後の作業。そこでこの着物を着る方のこれからが末広りであるように、と願をかけるかのようなその言葉。

 

なんて優しいのだろう。

 

以降、わたくし、末広がり、末広がり・・・とつぶやきながら一生懸命、8個入れています(笑)

 

 

物作りとは、誰かを想う優しさで出来ているのですね。

 

こんなのあったら便利だな

こうしたら皆で楽しめるかな

こんな風にしたらより立派になるかな

 

誰かを喜ばせたい、助けたい。

 

例えどこかの時点で支配、損得、甘えなどの欲求に振り回されようと、最初は優しさから生まれたもの達でこの社会は出来上がっている。

 

ここは優しさであふれている。

 

それだけを真っ直ぐに受け取ってもいい。

和裁を通して素直にそう思えるように私もなってきました。

 

 

こんなものがあったらいいな

 

と誰かが想って今ここでは、花が咲き、鳥が鳴き、風が吹き、星が煌く。

 

 

最初にそう想ったのは誰だろう。

 

きっとそれらを美しいと、今想っている誰か。

 

それはあなた。私。

 

 

優しさはホッとする。美しさもホッとする。

 

ホッとすると命が永らえる。

 

優しさと美しさの溢れたこの地球はすでに楽園。

 

心が疲れたとき、優しさ、美しさに触れようとしてみてください。

 

それはあなたのすぐそばにあります。

 

全ての体験が私に永らえる知恵を与えてくれています。

 

愛と感謝を込めて